医療法人の理事報酬は役員報酬に該当し定期同額給与でなければ損金扱いにならない事はご存じと思いますが、近年一般法人で増加している役員賞与を損金扱いできる「事前確定届出給与」が医療法人でも少しずつ増えて来ているようです。
社会保険の節税目的で活用する場合が多いようですが、法人の決算対策としての活用も検討出来ます。決算月に支給時期を設定し、利益が出るようなら届出通り支給、そうでない場合は全額支給しない事で適正な決算対策の実施が可能です。支給しない場合は役員からの意思表示と臨時社員総会での不支給決議が必要など、手続きと支給方法には厳格な定めがありますのでご注意下さい。
また社会保険の節税ですが、医師国保の場合は厚生年金のみで効果が生じます。理事長の医師国保は開業医としての前年医業収入による所得割額になり、月額給与の影響を受けないためです。それでも月額給与200万で賞与支給無しの場合は年71万の厚生年金が、月額を大きく下げて高額な賞与を支給すると年24万に減額される例もあります(将来の年金受給額にはご注意下さい)。
なお社会保険料の節税については社労士にご相談の上検討されて下さい。
医療経営支援チーム 岩本宗智