医療経営支援

医療法人、まる裸!?
~ 医療法人の経営情報、2023年度末を目途にデータ公表へ ~

国は、国民の負担した保険料や税金が医療財源として効率的に使用されているか(公的価格評価検討委員会2021/12/21開催)を把握分析し公表する為、使い道を「見える化」する準備を進めています。今後の医療機関支援政策を進めるには医療法人の経営状況を把握分析し、国民への丁寧な説明が必要としていますが、経営情報(案)は現在の事業報告書より詳細で収益・材料費・給与費を細かく報告する内容になっており、確かに医療機関の収益は公的資金が財源になっているとはいえデータベース化に抵抗を感じる理事長先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

医療法の改正案を次の通常国会に提出する予定ですので新しい事業報告書での届け出は今年夏以降になりそうですが、2024年度中には介護事業所の経営情報も公表出来るよう整備を進めており、社会福祉法人や公益法人と同様に公表の義務化が行われる見込みです。

医療法人化するデメリットの1つとして事業報告書の提出により経営内容が第三者に閲覧される事が有りましたが、今までは簡易な内容で書類提出、しかも閲覧するにはわざわざ行政機関に出向く必要が有ったのでそこまで見られている意識は無かったでしょう。しかしこれがインターネットで誰でも閲覧できる様になると、「あそこの先生の売上は云々」「ここの先生の利益は云々」と話題になるかもしれません。ましてや情報をグルーピングし個別確認が出来ない様にするとは言え、職種別年間の1人当たり平均給与も公表となれば病医院側の手間と不安はそれ相当なものになると思われます。

2023年はオンライン資格確認システムや電子処方箋、インボイス制度の導入も控えています。事業報告書等のオンライン提出も含めて忙しい1年になりそうです。

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