非営利系

非営利系団体が選択する法人⑥ 任意団体とは

任意団体は権利能力なき社団、人格のない社団等、法人でない社団等とも呼ばれ、非営利活動の出発点であることの多い団体です。
法人ではありませんが、法人と同様に取り扱われることがあるので注意が必要です。

◇概要

単なる個人の集合体でなく、一定の目的を達成するために統一された意思のもとに活動する団体のうち、法人格をもたない団体を人格のない社団といいます。自治会やPTA、マンションの管理組合、大学のサークルなど、多くの団体が該当します。
また、法人でない財団を組織することもできます。
どちらも法人ではないため、登記を行いません。
誰でもすぐに組織し活動する自由さがある一方、契約の主体になることができないため任意団体の名前で銀行口座の開設をしたり事務所を借りたりすることができません。

◇任意団体と各種税金

法人でなくとも、しっかりと組織として活動する任意団体は「人格のない社団等」として、税法上は法人と同様に取り扱われることがあります。

任意団体(人格のない社団等)
法人税法人税法上の収益事業にのみ課税されます。
つまり、非営利型法人と同様、収益事業を行っている場合は申告納税義務があります。
都道府県及び市町村の法人税均等割り収益事業を行っていない場合は納税義務がありませんが、収益事業を行っている場合は法人とみなされ、納税義務があります。
消費税消費税法の要件により判定されます。
つまり、法人と同様、基準期間の課税売上高によっては申告納税義務が発生します。
源泉所得税組織として職員を雇用し給与を支給している場合や報酬を支払う場合は、法人と同様に源泉徴収義務があります。

登記等の公的な手続きを行わないため、実際は納税義務が発生していても気づかないことが多くあります。無申告等は延滞税・加算税等の対象になるため、ご注意ください。

◇設立手続き

だれでも自由に組織することができ、法的な手続きは原則不要です。

◇外部からの監督・指導

どこからも監督されることはありません。(行政と緊密な関係にある場合や補助金等を受けている場合を除く)

◇法人への移行

任意団体は社会的信用が法人に比べて低く、また、権利・義務・財産の帰属の問題もあるので、規模が大きくなると法人に移行することも多々あります。しかし、事業内容や構成員は同様でも、任意団体と新たに設立した法人はまったく別の組織となり、残余財産の引継ぎや職員の雇用はそれぞれ所定の手続きが必要です。専門家にご相談ください。

◇その他、注意すべき事項

小規模な団体のうちは良いかもしれませんが、規模が大きくなれば運営には注意が必要です。任意団体であれ、法人と同程度の体制が必要とされる場合があります。対外的なやり取りが多くなる前に、必要な知識と体制を整えて運営しましょう。

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