重加算税の付加基準
国税通則法第68条第1項又は第2項において、「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し」た場合に重加算税※1が課せられると規定されています。相続税における「隠ぺい又は仮装」は、国税庁の「事務運営指針」に次のように記載されています。
①相続人等※2が、帳簿書類※3について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄、又は隠匿をしていること。
②相続人等が、課税財産を隠匿し、架空の債務をつくり、又は事実をねつ造して課税財産の価額を圧縮していること。
③相続人等が、取引先その他の関係者と通謀してそれらの者の帳簿書類について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄又は隠匿を行わせていること。
④相続人等が、自ら虚偽の答弁を行い又は取引先その他の関係者をして虚偽の答弁を行わせていること及びその他の事実関係を総合的に判断して、相続人等が課税財産の存在を知りながらそれを申告していないことなどが合理的に推認し得ること。
⑤相続人等が、その取得した課税財産について、例えば、被相続人の名義以外の名義、架空名義、無記名等であったこと若しくは遠隔地にあったこと又は架空の債務がつくられてあったこと等を認識し、その状態を利用して、これを課税財産として申告していないこと又は債務として申告していること。
※1 申告書を提出していた場合は追加で発生する相続税の35%、申告書提出なしの場合は相続税の40%
※2 相続人(受遺者を含む)又は相続人から遺産(債務及び葬式費用を含む)の調査、申告等を任せられた者
※3 帳簿、決算書類、契約書、請求書、領収書その他財産に関する書類
対応策
当事務所では年間数十件の相続税申告を行っており、税務調査が行われる案件もあります。中には、申告していない財産が見つかり修正申告を行うこともありますが、重加算税を課せられないように対応を検討しています。
当初の申告で相続財産に漏れがないようにするのが一番ですので、申告の際には依頼人に対して念入りにヒアリングを行い、財産を網羅できるよう努めています。しかし、職権で調査できる税務署側と異なり、依頼人の協力なしに漏れを防ぐことは困難です。
相続が起こって当事務所に相続税申告をご依頼される際は、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
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