税務

備えよう!インボイス制度~応用編⑦~

消費税のインボイス制度が令和5年10月1日からスタートする予定です。「実際にはどう対応したらいいの?」応用編ではそんな疑問にお答えしていきます。

Q.インボイス制度に対応するため、A社はPOSのレジシステム、商品の受発注システム及び経理システムのプログラムについて、以下の仕様変更を外部に発注しました。

① 現行の請求書等のフォーマットに登録番号、軽減税率の対象品目である場合はその旨、税率ごとに合計した対価の額(税抜き又は税込み)、適用税率及び消費税額等を追加
② 積上げ計算方式による仕入税額の計算に対応するため、集計方法などの税額計算の要素につきインボイス制度に対応する仕様変更等

これらは、インボイス制度の実施に伴い、システムに従来備わっていた機能の効用を維持するために必要な修正です。新たな機能の追加、機能の向上等には該当しないことから、この費用は修繕費(損金算入)として差し支えないでしょうか?

A.従来の機能を維持するため必要な修正であることが作業指図書等から明確ならば、新たな機能の追加、機能の向上等に該当せず、これらの費用は修繕費として取り扱われます。

A社のような修正は、インボイス制度の実施に伴い、現在使用しているソフトウエアの効用を維持するために必要な変更を施すものに過ぎず、新たな機能の追加、機能の向上等には該当しませんので、その修正に要する費用は修繕費に該当します。

なお、次のようなシステムの修正は、現状の効用の維持等に該当しませんので、その修正に要する費用は資本的支出となります。

・受発注システム上で受領し、又は取り込んだ請求書に記載された取引先の登録番号と国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトに公表されている情報を自動で照合し、確認する機能を新たに搭載するもの
・これまでシステムで作成した請求書等を紙媒体で出力し交付していたものを、電子交付まで自動で行えるよう仕様変更するもの

ただし、資本的支出であっても、その費用の額が20万円未満の場合や、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合に、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として取り扱って差し支えありません。

① その金額が60万円に満たない場合
② その金額が修正に係るソフトウエアの前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

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参考

【出典】国税庁 インボイス制度に関するQ&A(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_invoice_mokuji.htm
【国税庁HP】https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
【国税庁YouTube】https://www.youtube.com/playlist?list=PLu9kixYOfBRIQFM6xcSFzcGmx_jc031qc

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