いよいよ新入社員を迎え入れる時期になりました。
皆様、期待と喜びをもって歓迎されることでしょう。
翻って新入社員の方は、やっと仲間入りできるという喜びと期待の後ろに
「どんな人たちがいるんだろう」「自分は仕事がちゃんとできるだろうか」
「叱られたらどうしよう」など、大きな不安も抱いていることでしょう。
そこで今回は、どのようにしてより良い関係を作っていくかを考えてみたいと思います。
早く馴染むためには“声かけ”“時間の共有”が大原則
新卒入社社員に限らず、中途入社の方も、その企業風土に馴染むには相応の時間が必要です。
「単純接触効果」を意識しましょう。接触する回数が増えれば増えるほど印象が良くなり好感度も高まっていく効果の事で、営業などでは基本中の基本の行動です。
毎朝のミーティングはしっかり行い、メンバーの様子や体調などを確認しましょう。仕事内容を共有したり行動を把握したりすることで新入社員のみならずお互いのフォローやカバーもしやすくなります。
真に会社の一員となってもらうために思いを込めて“経営理念”を伝えて
経営理念は仕事をする上での信念や理想を表しています。
「お客様に対してこのようなサービス、このような製品を提供したい。そしてお客様に喜んでいただき、そのことが私たちの喜びにもなる」ということが明示されています。
その理念を社員全員が力を合わせて実現していくのが会社です。人それぞれ価値観が違うのは当たり前ですが、同じ思い(理念)をもって共に同じ方向に向かって仕事するからこそ、それぞれが正しく判断でき、行動できるのです。
ただ理念を文字として伝えるのではなく、新入社員と触れ合う様々な場面で、「○○だから、こういうことも意識して行動しようね」など、行動につながるように思いを込めて伝えてみてください。
新入社員がうまく仕事ができるかどうかは指示の出し方にかかっています!
指示命令の仕方も重要です。これは新入社員のみならず、新しい仕事に取り組む場合すべてにおいて言えます。
仕事全体の流れをみて、どの順番でどのように作業すれば仕事を完了できるか順序良く伝え、伝えた内容が理解できているかを、復唱によって確認しましょう。
仕事が複数あれば、優先順位も明確に伝えます。期限ははっきり伝えましょう。指示内容が複雑であれば、文書にすることも必要です。
長期にわたる業務では、朝礼などでの進捗確認や、困っていることはないか声をかけたりなど、細やかにサポートしましょう。
叱る側も叱られる側も成長するチャンスです!「叱る」「叱られる」ポイント
「叱る」と「怒る」は違うということは重々承知していらっしゃると思います。ハラスメントが問題視されていますので、叱る側にも相当な配慮が求められます。最終的には相手ができるようになること、意欲的に取り組むようになることを目標に、言い方やシチュエーションに配慮し、「どうしたらできるか」を考えさせ(ともに考え)、改善の機会を与え成長を促しましょう。
<叱る側>
1.人格を否定しない。行動そのものにフォーカスする
2.人と比較しない
3.人前で叱らない
4.長々と叱らない
5.叱った後のフォローを忘れない。改善できていれば褒める、できていなければ再度教えるなど
<叱られる側>
1.自分自身を否定されているのではなく業務の成果を指摘されており、それができるようになるためのヒント(チャンス)をもらえていると考える
2.「何故叱られるんだ…」ではなく「どうすれば挽回できるか」という思考をする
3.言えばできると見込まれている(期待されている)から言われていることを理解する
大切なのは“あなたは大切な仲間だ”と伝えること
社会人経験が初めての新入社員受け入れとなると、通常以上に丁寧に、思いやりをもって、寛容な心で向き合うことが求められます。しかし、「あなたは大切な存在なのだ」ということをあらゆる場面で伝えていくことは、全社員に対して必要なことです。
働き方も、仕事に対する価値観も、モチベーションもプライベートの環境も、大切にしていることも、まったく違うのですから、お互いの価値観を認め合って働くことが大切です。価値観は押しつけられません。しかし、組織に所属している以上、組織の理念=共有の目的をもって働くことがその根底になければ組織は機能しません。互いの価値観を認めながら、同じ目的をもち同じ方向をみて、それぞれが最高のパフォーマンス(仕事)をすることが、自分の存在価値を高めることを心に留め、それぞれのできることを精一杯発揮していきましょう。
新入社員受け入れの季節は、既存社員も成長できるチャンスです。積極的に関わり、また、自分のことも振り返り、更に成長していきましょう。
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