病院そして事務所の成長は、浩への社会的活動が求められ始めた。今住む地は、全国的にも、森と水の都と言われるほどに木々が生い茂り、いたるところで湧水、当にフランスのルルドの泉を恰も再現したようであった。 浩たちは、自分たちの町をさらに世界的な町にしたい思いは強く、週末には、居酒屋『ラピュタの道』でよく討論した。もう店じまいですよ、と言われる事が日常茶飯事になっていた。そのくらい思いは強い仲間たちであった。全国的には、地域振興運動が生まれ始め、お隣大分県では一村一品運動、熊本では「日本一づくり運動」「くまもとアートポリス」などを推進され始めた。病院院長と浩は、民間でもこの運動を推進して地域を少しでも良くしていかなければとの考えが一致、「熊本日本一づくりの会」を設立、院長が会長に、浩は事務局長に就任した。地域の資源を生かし、活力と個性あふれるまちづくりを目指し、「悠木の里づくり」を提唱し、日本最大の木造屋根の町民体育館「小国ドーム」の建築構法ハード・ソフトの総合的なまちづくりの推進で等で各賞を受賞の小国町長をはじめ、地方議員や思いの篤い地域リーダーが結集した。日祭日に、県内各地で先進的な場所に集まり、夜鍋談義を開催した。入れ替わり立ち替わり、中には深夜3時頃やって来る人もいた。いろいろな仕事が社会を支えているんだなあと、改めて職業、仕事が私たちの生活を支えていることも認識できた。こうして、この会が数年進む中、中心となっていた浩たち三人は、自然と 「今度の市長選、私たち会長を推薦しよう」との話になった。大笠原マリア記念老人ホーム理事長と岩原西光石油専務と浩であった。それから一週間も経たない内に三人は、町の緑をイメージして、『ハート&グリーン』という団体を結成した。いつも行動の早い三人は、早速、会長に面会を申し込んだ。 「これからのこの市をより成長させるためには是非会長、出馬して頂けませんか」三人の切り出しに、徐に、「これからは、君たちの時代が来る、その君たち、更には君たちの子の、更にその子の子の為にも、豊かな地域を創らなければいけないよね」「会長!受けて頂けるんですね」「未来に向かって、受けましょう。政策を確りと掲げなくてはね。その中でも、一番に訴える事を。君たちの考えはあるのかな」浩は待ってましたとばかり、「はい!ズバリこれはという政策があります」「それは?」「今の私たちの地域には、日本、いや世界に誇るお城があります」「そうそうあるね」「その事を歴史的に検証してみますと、何と二十近い櫓があったんです。その櫓を完全復元してみてはと思うんです」「それは良い考えだ。外国の古いお城も偉大な建物であることは違いないが、このお城みたいに幾つもの櫓があるお城は世界中勿論日本にも見あたらないね。私たちの地域は全体として、観光客の入りの数は乏しい感じがする。地域を元気にする大きな要素の一つに交流人口を増やす、つまりは観光客を大きく増加することだなあ。よし、多くの政策をみんなと一緒にこれから考えるが、一番目の政策としてこれを位置づけていこう」
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