歯科診療所数が減少している主な理由
1.人口減少と少子高齢化
日本全体で人口減少が進んでおり、特に地方では若年層人口の減少が顕著です。
従来の歯科医療は、虫歯治療を中心とした小児・ファミリー層の需要に支えられてきました。しかし、少子化によって患者数自体が減少し、地域によっては十分な来院数を確保できないケースも増えています。
また、高齢化に伴い、通院困難患者への対応や訪問歯科の必要性も高まっています。
2.院長の高齢化と後継者不足
歯科業界では、院長の高齢化も大きな課題となっています。
地方では特に、
• 子どもが継承しない
• 勤務医として都市部を選択する
• 承継希望者が見つからない
などの理由から、閉院を選択するケースが増加しています。
近年では第三者承継(M&A)も増えてきていますが、すべての医院で承継が成立するわけではありません。
そのため、「黒字でも閉院する歯科医院」が増えている点も特徴的です。
3.歯科医院間の競争激化
都市部では歯科医院数が依然として多く、患者獲得競争が激化しています。
現在の歯科医院経営では、単に治療を行うだけではなく、
• 予防歯科
• 自費診療
• インプラント
• 矯正歯科
• 審美歯科
• 訪問歯科
など、医院ごとの特徴づくりが求められる時代になっています。
また、WEB集客や口コミ対策、SNS活用なども重要となり、経営力の差が医院の将来を左右するようになっています。
4.歯科衛生士不足と人材確保の問題
歯科医院経営において、歯科衛生士不足も深刻な課題です。
特に地方では、
• 採用が難しい
• 人件費が上昇している
• 教育負担が増えている
といった問題があります。
スタッフ不足によって診療ユニットを十分に稼働できず、結果として収益悪化につながるケースもあります。
そのため、今後は「人材が集まる医院づくり」も非常に重要になります。
まとめ
全国的に歯科診療所数は減少傾向にあり、特に地方ではその動きが加速しています。
背景には、
• 人口減少
• 少子高齢化
• 後継者不足
• 人材不足
• 経営競争の激化
など、さまざまな要因があります。
今後の歯科医院に求められることは、単なる治療中心ではなく、
• 予防中心型歯科医療
• 高齢者歯科
• 訪問歯科
• 地域医療連携
• 医院ブランディング
• スタッフ定着
などを含めた「地域密着型経営」が考えられます。
つまり、これからの時代は単に「医院数」が多いことではなく、「地域に選ばれ続ける歯科医院」であることが重要になってくるでしょう。
地域住民から信頼され、継続的に必要とされる歯科医院の価値は、今後ますます高まっていくと考えられます。
医療経営支援チーム 下條正人