障害福祉サービスの収益事業判定の問題

障害者総合支援法に規定する障害福祉サービス(以下、障害福祉サービス)を行う事業が収益事業に該当するかどうか、話題になっています。国税庁が「NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について」の回答を出し、それを受けて各事業所に障害福祉課等から事務連絡が出されているところがあるためです。
収益事業のみに法人税が課税される形態の法人については、34業種に該当しないため収益事業ではないと判断し法人税の申告を行っていない場合も多いため、今回の国税庁の回答は今後の課税関係に大きく影響する可能性があります。
この動きに対する議論は多くありますが、今回は現在の状況をまとめてみます。

まず、障害福祉サービスは医療保健面でのケアのため医療と密接な連携がなされる場合が多く、そのような障害福祉サービスは原則として収益事業である「医療保健業」(法令5①十)に該当するとされています。一方、就労支援等の医療や保健といった要素がないサービスにおいても、事業者と利用者間との間で利用契約を締結し、利用者からそのサービスの対価を受領することになるため、収益事業である「請負業」(法令5①二十九)に該当するとされています。つまり、この回答において、障害福祉サービスは「医療保健業」または「請負業」に該当すると明記されたのです。
ただし、それをもって直ちに法人税の納付義務があるわけではなく、①「医療保健業」または「請負業」に該当しても、その障害福祉サービスに従事するものの半数以上が身体障害者であり、かつそのサービスが身体障碍者等の生活の保護に寄与している場合(法令5②二)や、②「請負業」に該当しても実費弁償方式により行われるもの(法人税基本通達15-1-28)である場合は、収益事業に含まれないものとされています。
なお、①の半数以上が身体障害者であるとの判定は、複数の事業を行っている場合、個々の事業毎に判定するのが相当であるとのことです。

当回答を受けて確認・検討を行っている場合も多いと思います。難しい判断になる場合は税務署等への確認を含めた慎重な対応が必要です。

<参照>
◇NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について(国税庁質疑応答事例)

◇実費弁償による事務処理の受託等(国税庁その他法令解釈に関する情報)

◇公益法人等が行う事業のうち収益事業に含まれないものの判定単位について(国税庁文書回答事例)

 

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