認知症患者とどう向き合うか

『認知症患者とどう向き合うか』

【警察庁の調査結果】
 警察庁が毎年6月に実施している行方不明者の状況調査が発表されました。28年中における認知症関連の行方不明者は過去最高の15,432人で、4年連続で1万人を超え27年中より3,224人も増加しています。増加数はこの2年間で大きくなっており、今後ますます認知症による行方不明者が増える事が心配されます。

【環境整備の必要性】
 認知症の数も平成24年は462万人だったのが、団塊の世代が後期高齢者となるいわゆる2025年には700万人を超えると予測されており、このままでは身近なお年寄りの内5人に1人が認知症という社会が間近に迫っています。ご承知の通り国も新オレンジプランの実現に向けて施策を進めていますが、認知症の人の意思が尊重され出来る限り住みなれた地域で暮らし続ける社会の実現はそう簡単ではないようで、地域で見守り手助けする「認知症サポーター」の育成も新たに1,200万人に引き上げる計画になっています。プラン実現には認知症に対する社会的理解や医療提供体制の整備が求められますが、国家に関わらず私たち国民1人1人にとっても最重要課題として認識していく必要があるのではないでしょうか。それは身近で大切な人が認知症になるという事態にどう対応していくか?という事であり、徘徊が原因での列車事故や介護のお世話で離職せざるを得ない方が増えている中で、認知症になった人もその家族も安心して生活できる環境整備を進めて行かなければなりません。「認知症カフェ」などの開設は重要な取り組みとしての整備が期待されるのではないでしょうか。

【認知症患者と医療機関】
 介護給付費分科会でも認知症施策の推進論点が示され、グループホームや認知症対応型通所介護(認知症デイ)の在り方が論議されていますが、増え続ける患者数とは裏腹に地域密着型との機能分担や差別化など経営的問題を抱えているためか認知症デイは事業所数・利用者数ともに減少傾向にあります。報酬加算など政策的誘導も必要ですが、私たち1人1人の理解と町内会での認知症サポーター研修など地域を挙げての取組が必要ではないかと感じています。
 経済財政諮問会議の骨太の方針2017では認知症施策の推進に「循環型」の仕組みの構築を目指すとありますが、これから同時改正に向けてより具体的な施策が発表される事でしょう。認知症は関係ないと思っていた医療機関も元気だった患者さんが認知症を伴った状態で来院し、対応しなければ患者が離れてしまう状況がそこまで来ています。認知症も相談出来る「かかりつけ医」機能、これから重要なキーワードになりそうな気がします。生き残る医療機関として、認知症の理解と対応力が求められます。

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