医療法人のガバナンスの強化について

第7次医療法改正においては、医療法人制度では、主にガバナンスに関する事項と透明性の確保に関する事項が改正されました。 医療法人の理事長及び理事について、忠実義務、損害賠償責任等を課し、役員報酬も規定して責任範囲等を明確化しました。また、監事の義務と権限についても強化されています。

理事の義務
医療法人の理事は、善管注意義務に加えて、忠実義務もあることが規定されました。また、理事が医療法人の事業の部類に属する取引をしようとするときは、理事会の承認を得なければならないと規定されました(競業及び利益相反取引の制限)。さらに、理事長は、3か月に一度自己の職務の状況を理事会に報告しなければならないと規定されました(報告義務)。

監事の義務と権限
監事は理事と同じく善管注意義務を負うことが規定されました。監事の職務については、医療法人の業務や財産の状況を監査するなど明確化されています。また、監事の権限としては、理事会の招集請求や理事の行為の差し止めなど規定されています。
監事を中心とした医療法人の内部管理体制を強化するものといえます。実際に法人監査を実施できない者が名目的に選任されていることは適当でなく、財務諸表を監査しうる者が選任されていることを要請するものです。

役員等の損害賠償責任
理事又は監事がその職務を怠ったときは、医療法人に対し、それによって生じた損害を賠償する責任を負うことが規定されました(医療法人に対する損害賠償責任)。また、医療法人の理事又は監事がその職務を行うにあたって悪意又は重大な過失があったときは、その理事もしくは監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことが規定されました(第三者に対する損害賠償責任)。

役員報酬
理事又は監事の報酬等は、定款もしくは寄付行為にその額を定めていないときは、社員総会または評議員会の決議によって定めると規定されました。監事は、社員総会または評議会において監事の報酬等について意見を述べる権利もあります。

医療法人のガバナンスの強化
医療法人のガバナンスの強化により、社員総会や理事会の規定どおりの開催(最低年1回、原則は年2回)が求められます。医療法人によっては、理事や監事の選任見直しも必要かもしれません。決算の承認、役員の選任、役員報酬の決定など、医療法に準じた医療法人の適切な運営が要請されます。

記事;医療経営支援チーム 橋本 研

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