医療経営支援

【医科】オンライン資格確認導入の原則義務付けに係る経過措置及び加算の特例措置

1)オンライン資格確認導入の原則義務付けに係る経過措置

厚生労働省ホームページでは、オンライン資格確認の都道府県別導入状況を確認する事が出来ます。令和5年4月からの導入原則義務化に向けて準備を行っている医療機関もありますが、1/29時点での全国と熊本の導入状況は下記となっています。

・顔認証付きカードリーダー申込率 全国:91.1% 熊本:94.5% (義務化対象施設:97.7%)
・準備完了施設率 全国:53.6% 熊本:55.8% (義務化対象施設:52.6%)
・運用開始施設率 全国:44.7% 熊本48.2% (義務化対象施設:43.7%)

ほとんどの医療機関で申込は完了していますが、半数は準備未完了施設で運用開始出来ていません。その中で令和4年度末時点でやむを得ない事情があり運用開始が出来ない場合は、6つの期限付き経過措置が準備されています。

(例)
・令和5年2月末までにベンダーと契約締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了
 →システム整備が完了する日まで(遅くとも令和5年9月末まで)
・オンライン資格に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない
 →接続可能な光回線のネットワークが整備されてから6ヶ月後まで

その他にもやむを得ない事情により運用開始できない場合の経過措置があります。対象の医療機関は、地方厚生局に原則オンラインで事前届出を行う必要がありますので、事前確認が必要です。

2)オンライン資格確認の導入・普及に関する加算の特例

令和4年10月より新設された『医療情報・システム基盤整備体制充実加算』について令和5年4月から12月まで下記の特例措置を時限的に設ける事が告示・通知されました。加算内容は下表の通りです。

①初診時・調剤時の加算特例
施設基準を満たす保険医療機関・保険薬局において、初診又は調剤を行った場合における評価の特例
②再診時の加算の特例
施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対し、再診を行った場合における評価

加算の影響でマイナンバーカードを利用しないと今以上に窓口負担が増えるので、患者のオンライン資格確認利用希望が増加する事でしょう。しかし、東京保険医協会が呼び掛けた保険医・歯科保険医が、義務化を定めた療養担当規則が違憲・違法であると国を相手に提訴するなど義務化に向けての準備及び対応が困難な医療機関も多い様です。経過措置期間(令和5年9月末)を活用し、機器使用方法や患者対応で院内トラブルが起きない様に準備が必要となります。

参考:厚生労働省 オンライン資格確認等システムについて(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html)

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