アメリカではアマゾン・ドット・コムがオンラインで処方薬を受け取れるAmazon Pharmacyを運営しています。ウェブサイトから注文し自宅に配送してくれるサービスで、プライム会員なら2日以内での配送や割引クーポンが貰えるなど、配送網の優位性と圧倒的な物量・そのブランド力で参入当初は大きな話題になりました。
一方日本でも処方薬の宅配は既に実施されており、まだあまり浸透しているように感じられませんが、ネットで検索すると色々なサービスを見る事が出来ます。
政府の規制改革推進会議及び薬局の業務・機能に関するワーキンググループでは薬剤師の対物業務の効率化やオンラインヘルスケア推進を目的とし、薬局の調剤業務を外部委託できるようにする案を厚労省も交え現在協議しており、薬剤師配置基準の規制見直し等を議論しています。この動きを見据えてかアマゾンが日本でも処方薬販売参入を検討していると報じられ、業界に大きな衝撃を与えているようです。アマゾン自体は在庫を持たないようですが、その配送網とブランド力を駆使し「処方薬を頼むついでに日用品も注文しよう」という効果が期待できるでしょうし、協力する薬局は新たな患者を得る可能性が有ります。
厚労省は安全性の確保や地域医療への影響、災害リスクなどの観点から、委託できる業務を一包化のみに限定することや距離制限を設けることなど一定の規制の必要性を主張し、外部委託の実施に対して慎重な姿勢を示しています。それに対し、経団連からは規制によって参入薬局等が限定されるため外部委託が普及せず改善が進まないことが予測されるため、より大幅な規制緩和（もしくは規制撤廃）が求められています。
解放と制限、規制の厳しい医療業界でどこまで変革が進むか？ アマゾンの1歩に注目が集まります。
医療経営支援チーム
岩本宗智
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