税務

「扶養の範囲」を確認しましょう

「親族を扶養に入れる」「配偶者の扶養の範囲内で働く」など、ご家庭の構成員によって、「扶養の範囲」を考えることも多いと思います。
しかし、一口に「扶養」といっても、それぞれの法律や決まりによって条件が異なります。その違いをしっかりと確認しましょう。

*目次*
所得税
社会保険
国民健康保険
各健康保険組合
住民税
扶養手当

所得税における扶養

扶養者は所得控除である「扶養控除」を適用することができます。
適用できる扶養控除によって控除額が異なります。

◆対象者の範囲

所得者と生計を一にする下記の者

✔配偶者(内縁含まず
16歳以上の六親等内の血族及び三親等内の姻族

※同居していなくても所得者からの仕送り等で生計を立てて入れば扶養しているとみなされます。
※扶養親族が国外居住者の場合は、親族関係書類(証明書)や送金関係書類(銀行振込履歴)等が必要。

◇所得制限

被扶養者の1月1日から12月31日までの合計所得が以下の範囲であること

✔配偶者特別控除の対象となる者以外の者の所得が48万円以下

給与収入の場合は給与所得控除後の金額で判断するため、総収入で考えると年収103万円以下となる。(いわゆる103万円の壁)
公的年金等受給者の場合は公的年金等控除を差し引いたあとの金額で判断するため、65歳未満は年収108万円以下、65歳以上は年収158万円以下となる。
事業所得の場合は青色申告特別控除後の金額で判断する。
青色事業専従者は所得にかかわらず対象外
譲渡所得一時所得など他の所得も含むため、臨時の所得がある場合は注意。

配偶者特別控除の対象となる者の所得が48万円超133万円以下

※配偶者に限り、所得が48万円を超えても控除が存在するが、所得に応じて段階的に減少。総収入で考えると年収約201万円以下

配偶者控除および配偶者特別控除の適用には、扶養者本人の所得が1,000万円以下であることも要件となります。(所得に応じて段階的に減少)

年末調整または確定申告にてその年分の扶養者を申告し、扶養控除を適用します。
くわしくは税務署または税理士まで。

社会保険※における扶養

被扶養者は健康保険料の支払い負担はありません。
第3号被保険者は国民年金保険料の支払い負担もありません。

※ここでいう社会保険とは、協会けんぽと厚生年金保険をいいます。
 厚生年金保険の被保険者が65歳未満で被扶養者である配偶者が20歳以上60歳未満の場合は国民年金第3号被保険者となります。

◆対象者の範囲

主として被保険者の収入により生計を維持している下記の者

✔配偶者(内縁の夫、妻含む:互いに配偶者がいないことを戸籍謄本で確認)
✔子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹
同居の三親等内の親族(伯父母、叔父母、甥、姪、配偶者の父母、連れ子等)
同居の内縁関係にある者の父母及び子

※扶養親族が別居の場合は、認定しようとする者の収入を超える送金をしていることを銀行振込履歴にて確認することが必要。
※共働き夫婦の場合、子や父母は年間収入が多い方の被扶養者となります。所得税のように夫婦で被扶養者を分けたり、任意に選択することはできません。

◇収入制限

被扶養者の事案発生日からの向こう1年間の総収入※が以下の範囲であること

✔恒常的な収入の総額が130万円未満(いわゆる130万円の壁)

※給与収入、事業所得、不動産所得、各種年金、利子、配当等
※一時的な収入(退職金、財産売却金等)は含まない
※本人が社会保険の加入要件を満たす場合は被保険者資格取得は義務であり、年収が130万円未満であっても被扶養者とはならない

傷病手当金、出産手当金、失業給付等を受給中の場合、日額が3,612円未満(60歳以上は5,000円未満)であること。

✔60歳以上の公的年金受給者又は障害年金受給者は年額180万円未満

個人事業主であっても社会保険の被扶養者になれる場合があるが、所得の判断基準が複雑なため、年金事務所に確認する必要がある。(所得税法上の所得とは異なる)

※被扶養者の「向こう1年間」の収入が130万円以上となり、または日額で3612円以上の収入(手当金、給付金等含む)が発生した場合、その時点で被扶養者非該当となり、削除の手続きを行う必要があります。

変更が生じたら速やかに、給与所得者は事業所(勤務先)に届け出て下さい。
人事担当者または顧問の社会保険労務士が手続きを行います。

国民健康保険

「扶養」という考え方はありません。

協会けんぽや各健康保険組合等に加入していない場合は国民健康保険が適用されます。
すべての人が被保険者となり、各世帯の構成員の所得から保険料が計算され、世帯主が支払い義務を負います。

各健康保険組合

組合ごとに異なります。

給付や保険料の計算方法は各組合によって異なります。各組合にお問い合わせください。

住民税における扶養

扶養親族がいる場合は所得割の非課税枠が大きくなります。

住民税は各市町村によって定められています。
前年の合計所得に基づいて課税され、所得の有無、扶養親族の有無等よって非課税とされる場合があります。所得税では控除対象扶養親族ではないとされている16歳未満の親族も扶養として計算します。
くわしくはお住いの市町村にお問い合わせください。

給与手当としての扶養手当

手当が加算される場合があります。

事業所が独自に毎月の給与に手当として支給する、扶養手当(家族手当)を設けている場合があります。
支給の要件は事業所によって異なりますので、勤務先に確認し、状況が変わったら速やかに報告しましょう。

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